米国でのソフトウェアエンジニア就活入門

この記事を書くきっかけ

アメリカのリベラルアーツカレッジ(以下LAC)に通っていた者として、LACの学生は大規模な大学に行く学生に比べてキャリア形成に関する情報が少ない傾向にあります。このページは、LACに通う学生の皆さんや、米国での技術職の就活に馴染みのない方に、具体的で有益な最新情報を提供することを目的としています。これらは、私が学部1年生や2年生の時に知っていたらよかったなーと思うことです。このページの対象者は、ソフトウェアエンジニアを志望している、米国の就活にあまり馴染みのない方たちです。

この記事は執筆者が英語で公開したオリジナルの記事を日本語訳/一部改訂して載せています。

この記事の執筆者に質問はありますか?タイプミスはありますか?

現在、私はこのサイトのコンテンツを編集する活動をしています。共有したい有益な情報や間違った情報、誤字脱字などがあれば、コメントにお願いします。GIthubに慣れている場合はオリジナルの記事にプルリクエストを送るか、Issueを開いてください。

注意 : ここに記載されている情報は、最初に著者が個人的なメモとして始めたものであるため、人によっては的外れであったり、間違っていたり、古くなっている可能性があります。不正確な情報を見つけた場合は、上記の方法で私に知らせてください。また、私の経験(学部卒、キャリアフェアなど開催されない小規模な田舎の大学出身)をもとに書いているため、人によってはオーバーキルかもしれません。私はここまでしなければならなかった(泣)

応募前にやっておくこと

履歴書に載せるプロジェクトと経験を積む

履歴書を作り始める前に、履歴書に載せるものをいくつか用意しておきましょう。技術系の履歴書には大抵、学歴、スキル、経験、プロジェクトの4つのセクションがあります。このページでは、最後の2つのセクション、「経験」と「プロジェクト」を埋める方法をご紹介します。

プロジェクト

技術職の履歴書にはプロジェクト欄があるのが定番です。が、職務経験がたくさんある人はプロジェクトのセクションはなくてもいいかもしれません。職務経験が少ない人は以下のようなものを履歴書に記載することをお勧めします。

a. 個人プロジェクト

早めに始めることを強くお勧めします。個人プロジェクトは今すぐにでも始められます。 プロジェクトは小さなものから始めることができ、例えば簡単なJavaゲームやHTMLを使った一つのウェブページなどです。あなたの日常的な問題を解決するためにいくつかのソフトウェアソリューションを思いつくのは良い練習です。プロジェクトのアイデアが浮かばない場合は、習得したいツールや言語を考えてみましょう。

以下にいくつかの参考になるウェブサイトを紹介します。

コンピュータサイエンス1年生が夏にできるプロジェクトとは?(英語)

知識とスキルを高める究極のデータサイエンスプロジェクト24選 (英語)

UXポートフォリオのためのプロジェクトアイデアを開発する方法 (英語)

b. コースプロジェクト

授業で作ったものをプロジェクトと呼ぶことができます(IMO)。例えば、Webクライアントプログラミングの授業でWebサイトのフロントエンドを作った場合、それをプロジェクトと呼ぶことができます。コースで完了した課題が有形のものであれば、それをプロジェクトと呼ぶことができます(プロジェクトで何を達成したかを説明できる限り)。

c. ハッカソン

時間があるときは、ハッカソンに行きましょう。新しいスキルやツールを学んだり、履歴書に載せるプロジェクトに取り組んだり、採用担当者とのネットワークを構築したりするのに最適な場所です。ハッカソンによっては、旅費の一部を負担してくれるところもあります。欠点としては、12時間耐久だったり24時間耐久だったりで、忙しい人や体力に自身のない方には負担が大きいことです。

有名なハッカソンのオーガナイズしている団体として、MLH(Major League Hacking)などがあります。mlh.io

仕事の経験

インターンに応募するためには実務経験が必要だけれど、実務経験を積むにはインターンをしなければならない、というジレンマはあるあるです。以下の3つは割と障壁が低い気がします。学部の3年生までインターンの経験がないというのはよくあるので、以下の経験を得つつ、プロジェクトを充実させるのがいい気がします。

a. 学校内でのクラブ、サークルなど

技術系のサークルに所属してそこでチーム開発の経験を積むのはとてもおすすめです。

b. 学内で働く

授業のTAとして働いたり、大学内のITのチームなどでアルバイトができるか探してみるのがおすすめです。

c. フリーランスとして仕事を請け負う

例えば、サークルのウェブサイトを作ったり、教授のウェブサイトを作ったり。

履歴書の準備

ある程度プロジェクトと仕事の経験ができたら、履歴書を書いてみましょう。

私はまず、このガイド、特に効果的な箇条書きの書き方についての14~18ページを読むことをお勧めします。その後、ソフトウェアエンジニアによるこのガイドを使って、よりテック業界に特化したものにしましょう。後者のガイドは、おそらくテック業界を目指す人には最適なガイドだと思います。

正直、履歴書を書くにあたっては、この二つを読んで、それに沿って書けば、そこまでアブノーマルな履歴書にはならないと思います。見た目ではなく中身が大事なので。 https://github.com/hikarimn/lu_ComputerScience/blob/master/How_to_Write_a_Rockstar_Resume-2_by_22_Guide.pdf

https://github.com/hikarimn/lu_ComputerScience/blob/master/Resume_tips.pdf

フォーマットに関しては、1ページで絵や色は使わず、シンプルなものが一番受けがいいです。こんな感じのもの。

f:id:hikari_is_here:20210909111449p:plain github.com

一通り履歴書を書いたら、シニアエンジニアやリクルーターの仕事をしている人にレビューをしてもらい、フィードバックをもらいましょう(私もレビューできますよ、twitterにDMしてください)。フィードバックに応じて履歴書を練り上げることで、書類選考を通過しやすい履歴書が出来上がります。

ネットワーキング

ネットワーキングおよびコネクションを作ることは超大事です。アメリカの求人の半分以上はLinkedInなどの求人ウェブサイトに載せられず、内部のコネクションから探されると言われています。この隠れた求人にアクセスするには、コネクションを作ることが必要不可欠です。以下、ネットワーキングにおすすめの場です。

コミュニティ団体

コミュニティは、同じような興味を持つ人たちとつながり、より多くの経験を積むために他の人が何をしているのかを知らせてくれたり、自分のキャリアを発展させてくれたりするのに役立ちます。 私は最近、テクノロジー関連のオンラインコミュニティを一覧にしたスプレッドシートを見つけました。 docs.google.com

また、技術系を学ぶ女性の学生向けのグループ に関して以前記事にしました。 hikari-is-here.hatenablog.com

これも面白そうです。 ladder.to

カンファレンス

技術系のカンファレンスはネットワーキングに最適です。以下例をあげます。

(Diversity in Tech) ACM Richard Tapia Celebration of Diversity in Computing tapiaconference.cmd-it.org

(Womxn in Tech) グレース・ホッパー・セレブレーション - テック業界最大の女性の集い。 ghc.anitab.org

キャリアフェア

オンラインでのキャリアフェアも盛んです。Virtual Career Fairとか調べたらたくさん出てきます。例えばこんなところ techjobstour.com techinclusion.co

同窓生

面白い仕事をしている卒業生を見つけたら、ぜひ声をかけてみてください。LinkedIn、卒業生名簿、キャリアサービスなどが便利なツールです。彼らの連絡先を入手して、連絡を取りましょう。コーヒーチャットや電話、電子メールでのやりとりをして、彼/彼女らの仕事について学んでみましょう。可能であれば、彼らが知っているかもしれないリクルート情報を聞いてみましょう。彼らの時間とコミットメントを尊重しましょう。

技術面接の準備

アルゴリズムとかデータ構造とかの知識を磨きましょう。 - www.amazon.com 王道、数周すると良い - leetcode.com medium level まで解けたらOK - www.pramp.com 使ったことないけどいいらしい - www.interviewcake.com 私は使ったことないけどいいらしい、有料 - メンターや友人と模擬面接をするのもかなりおすすめです!(これをできるコネクションや友人を見つけるためにもネットワーキングは重要)

この辺りの記事もすごく参考になります。 en9.hatenablog.com note.com

心構え

ソフトウェアエンジニアリングのオープニングはたくさんあるものの、競争も激しいです。また、米国市民・永住者でない場合、面接をする前に断られることもたくさんあります。特に、ジュニアのオープニングは、大学を卒業してアメリカに残って働こうとする大学生、留学生、ブートキャンプを終えて働こうとする人、などが殺到します。インターンや新卒の就活は数をこなし、RejectionはRedirectionだと考えましょう。Keep applying!

実際に応募する

どこでジョブオープニングを見つけるか

効果的な応募方法

上から順に、より履歴書がリクルータの目に止まるだろうと考える応募方法です。

リファラルを手に入れて応募する

これはとても重要です。会社内にあなたのスキルを採用担当者に直接アピールできる人がいるというのは強みです。リファラルはあなたの履歴書が実際にリクルータにレビューされる可能性をあげます。

リクルータに直接メールを送って応募する

もしリクルータの連絡先を知っている場合はぜひあなたの履歴書を直接送ってみましょう。彼/彼女らが時間がなければ、無視されるだけですし、もし目に止まれば、書類選考を突破できるかもしれません。

特定のジョブボードから応募する

学校やコミュニティ向けのジョブボードから応募しましょう。なぜなら、リクルーターや人事のマネジャーがその特定のコミュニティに向けて採用を積極的にしている可能性が高いためです。

会社の採用ページから応募する

オープニングを探すのはLinkedInやIndeedを使ってもいいと思いますが、実際に応募するのはその会社の採用のページからにしましょう。LinkedInなどのポストは古い場合があるからです。

逆求人

逆求人系のウェブサイトも載せておきます。ジュニアは結構オープニングがすぐ埋まるので逆求人がなかなかうまくいかないかもですが、使わないより使う方がいい!

終わりに

この中で特に大事なものを挙げるとすると、

  • いい感じのプロジェクトをすること(学校内外、職場内外かかわらず)
  • ネットワーキングをすること
  • 技術面接の対策

だと思います。 Good luck!

あと、もし履歴書のレビューを希望する方がいれば、お気軽にTwitterのDMに知らせてください。当方100人以上の履歴書を見てレビューしてきました。