アメリカで就労ビザ(H1b)を手に入れました

はじめに

こんにちは、最近アメリカで就労ビザ(H1b)を手に入れたので私の経験をシェアしようと思います。RFEあたりのタイムラインの情報はあまり出回ってない気がするので役に立つといいなと思います。

時系列に起こった出来事だけ見たいと言う方のために、記事の最後にタイムラインを載せておきます。

この記事は一個人の体験談であり、法的アドバイスではありません。イミグレーションやビザに関して正確なところは必ず移民弁護士に相談してください。

H1bがどういうビザかなどの基本的な情報は日本語でも比較的容易に見つかるので省きます。このウェブサイトの説明とかが分かりやすいです。

https://www.swlgpc.com/jp/ourservices/nonimmigrantvisas/h1b/

H-1Bビザとは“専門技術者”として米国で一時的に就労する場合を対象としたビザで、 建築、エンジニアリング、会計、財務など就労ポジションに関連している米国の学士またはそれと同等の経歴を持っていることが 条件の一つとなっています。その他、H-1Bをスポンサーする会社についても最低賃金額の支払いが必要になるなど、 会社側にも様々な申請条件があります。

私のバックグラウンド

2020年の6月に米国の四年制大学を卒業(Bachelors of Arts 、情報工学と経済学のダブルメジャー)し、OPTという制度を使って一年間ソフトウェアエンジニアとして働いていました。

流れ

マネージャーに就労ビザを申請することの意思を確認される(2020年秋冬)

2020年の秋頃にマネージャーから、私は今OPTで働いているが、これから同じ会社で働き続けるにあたって、就労ビザをとることに興味はあるか、それともOPTのSTEM Extensionを使って働き続けるか、と聞かれました。即答で就労ビザを取りたいですと答えました。するとマネージャーに、人事にそう伝えると言われました。会社としては、私が、就労ビザをスポンサーしてまで会社に貢献する人材かを判断したのだと思われます。

会社が私の就労ビザをスポンサーすることが決定(2021年1月)

マネージャーから会社が、私の就労ビザのスポンサーになると連絡がきました。

それと同時にオンラインポータルサイトにアカウントを作るよう言われます。会社によると思いますが、私の勤務先の場合、このオンラインポータルで弁護士やパラリーガルの方とのコミュニケーションや、移民局からの最新の情報の共有ができるようになっていました。最初から最後まで、弁護士の方と直接話すということはありませんでしたが、とてもスムーズに弁護士のチームと連絡が取れるようになっていました。

必要書類を集めて弁護士によるレビューを受ける(2021年1月〜2月11日)

会社が私の就労ビザのスポンサーになるのが決定するのと同時に、前述のポータルサイトに必要書類をアップロードするように言われます。パスポートやI-20など。

同時進行で弁護士のチームが書類の不備を確認して、随時アドバイス等を受けます。

LCAがファイルされる(2月16日)

Labor Condition Application (略してLCA)は日本語で言うと労働条件申請書と言って、雇用主が外国からの労働者にフェアに賃金を払っているか証明するための書類です。雇用主が移民局に提出するものです。以下のような情報が含まれます。

  • ジョブタイトル
  • 標準職業分類コード(SOCコードと呼ばれる)
  • ポジションの期間(最長3年)
  • ポジションがフルタイムであるかどうか
  • 給与額
  • 同一地域での同一ポジションの実勢賃金 (Prevailing wage)

注意する点としては、自身がフルタイムでリモートで働いており、雇用主のオフィスが違う地域にある場合、両方の地域分のLCAがファイルされなければいけないです。また、給与額は両方の地域の実質賃金を上回っている必要があります(要確認)。 LCAは人事の方がファイルするので、私がとるアクションは特にありませんでした。

LCAがCertifiedされる(2月29日)

労働局によってLCAが証明されたと連絡がきました。

Cap Lotteryに登録する(3/22)

H1Bは年に発行できる数が限られており、例年それを超える応募があるので、抽選で申請をできる人を選びます。ここ数年は学部卒だと25~28%くらいの確率で当たります。その抽選に登録します。

移民弁護士の方が登録作業自体はするので、私がとるアクションは特にありませんでした。

あと、この抽選登録期間(一週間ほど)は移民弁護士の方々はとても忙しくなるので、何か疑問点があればそれより前に聞いておくのが良いです。

申請資料の下書きができる(3/25)

Cap抽選の登録と同時に、抽選で当たった際にすぐに申請作業に移れるよう、申請資料の下書きもここでなされます。

移民弁護士の方が作業自体はするので、私がとるアクションは特にありませんでした。

Cap Lotteryに当たる(3/29)

人事と弁護士の方から抽選に当たったと連絡がきました。

申請資料が弁護士によって承認される(4/6)

下書き分を弁護士が確認と承認をします。足りない書類や新しい書類が必要なときはこの辺りで言われます。

申請が移民局に送られる(4/9)

移民弁護士の方が作業自体はするので、私がとるアクションは特にありませんでした。郵送された書類はトラッキングナンバーがついてるのできちんと配達されたか確認できました。

移民局によってRFEが発行される(5/5)

ここで移民局がRFEを発行しました。RFEはRequest for Evidenceと言って、移民局が、必要な書類や証拠が不足していると判断した場合、または請願書を審査する担当者が、申請者が資格要件を満たしているかどうか判断するために追加の情報が必要だと判断した場合に発行します。これが発行されたとき、私はわりと焦りました笑。移民局にちょっと怪しいと思われているってことなので。人事の人には、焦ることはないと言われましたが。

追加の書類は9月ごろまでに提出するように移民局に言われるそうですが、人事的には早めに対応した方がいいらしいです。なのでRFEが発行され次第、人事は動き出していました。

RFEのための書類が集められる(5/5-6/24)

RFEは申請内容のどの点に関して追加の情報が必要なのか記載されており、それに基づいて弁護士が書類なり情報なりを雇用主や私から集めます。

私の場合は、マネージャが私のワークサンプルを提出するよう言われていました。私はマネージャに何かいいワークサンプル・PRがあるか聞かれたので、いくつか過去にマージされたPRをシェアしました。(ソフトウェアエンジニアなので)

追加の情報は雇用主側がシェアするものが多く、私がとるアクションはそれ以外特にありませんでした。

RFEのための書類が弁護士によって承認される(6/24)

同じ流れで、集められた書類は弁護士によって提出前にチェックされます。

RFEが移民局に送られる(7/29)

移民弁護士の方が作業自体はするので、私がとるアクションは特にありませんでした。郵送された書類はトラッキングナンバーがついてるのできちんと配達されたか確認できました。

申請が承認される(8/13)

移民局から承認の知らせがきました。やっと一安心です。あとは書類が来るのを待つのみ。

承認書類が送られてくる(8/15)

ラッキングナンバーつきで移民局から弁護士の元に送られた承認書類(i-797)が、弁護士から私のところに送られてきました。

パスポートにビザスタンプを手に入れる(TBD)

さて、H1bステータスは移民局から承認されました、がしかし、私のパスポートにはまだビザのスタンプがありません。なぜかと言うと、ビザのスタンプを手に入れるためには、アメリカ国外の大使館に面接に行かなければならないからです。そこで諸々を確認されて晴れてビザのスタンプを手に入れられるというわけです。私としては、日本に一時帰国した際に面接の予約を入れたいと思っているのですが、コロナ禍ということもあり、計画できずにいます。面接はこの記事が参考になりそうです。https://takafumi-inoue.com/h1b-visa-interview-usa/

FAQ

1) OPTの期間切れてからH1bのステータスになるまでどうやって働いていたのか?

OPTの期間は卒業後一年間で、6月卒業の場合は卒業した次の年の6月にOPTは終わります。H1bステータスが有効になるのはその年の10月からです。6月から10月の間は、Cap Gap Extensionと言う仕組みが適用され、適法的に働けます。おそらくOPTの延長という扱いだった気がするけど要確認。

2) OPT STEM Extensionは申請したか?

はい、Lotteryに当たった後でも移民弁護士に強く勧められたので申請しました。あとH1bがもし何かあって承認されなかったときのためにもとおもって申請しました。

まとめ

私がH1bを取れたのは運です。学部卒だし。Cap Lotteryに外れたら、OPT STEM Extensionをしつつ来年も応募しようと思っていました。あと、RFEがなかったら7月くらいに承認書類が送られてくるらしいです。

タイムライン

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